春の宵は北斗七星を従えた「おおぐま座」が天高く上ります。この北斗七星のすぐ傍らに、3等星と4等星の小さな星が見えます。これが「りょうけん座」を形作る中心星。ほかにこれといってめぼしい星もなく、お隣の北斗七星から比べても、ずいぶんショボイ星座です。
ショボイ割りに、M51という天体がこの「りょうけん座」を有名にしています。M51はわが銀河系をしのぐかという、数千億にのぼる星の大集団。渦巻きの先には別の銀河がくっついています。ハッブル宇宙望遠鏡がこのほど15歳の誕生日を迎えたとき、記念撮影に撮ったのもこのM51でした。こぶの姿を見るためには、口径10cm程度の望遠鏡は欲しいところです。
α星のコル・カロリは小さな望遠鏡でも見える2重星。はくちょう座のアルビレオに似た感じですが、いずれの星も白。美しさの点では、やはりアルビレオに勝てません。
■ M51の画像は
ハッブル・スペーステレスコープのウエブサイトより / Credit: NASA, ESA, S. Beckwith (STScI), and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA)