南米のスリナムでは日の出とともに金環食が見られるが、その後はずっと大西洋上を金環食帯が通過する。言い換えると、日食のほとんどは洋上で起こる。
翌日は秋分の日だから、日本全国で祭礼やイベントが行われる。山中温泉も例外ではなく、最大の祭礼「こいこい祭」が9月22、23日両日にわたって行われるのだ。
19年前の1987年9月23日、部分日食が日本全国で見られた。まさにこいこい祭りの真っ最中だ。いつもは雨に見舞われるこいこい祭りだが、この日だけはなぜか薄日が差していた。空前の好景気でにぎわっていた山中のこいこい祭りも、加賀市との合併で試練のときを迎える。先行きの読めない社会にあって、天球は法則に従い、規則正しく事象を刻んでゆく。