冬の星座の中でも、この「ふたご座」にはつい触れてしまう。ゼウスの子どもにして、まさに兄弟愛の見本だからである。「こんなふうに仲良く」と子どもたちに説きながらも、我が身に振り返れば兄弟げんかの毎日だったが・・ ところで、仔細に観察すると、兄貴のカストル(α)より弟のポルックス(β)の方が明るい。なぜ、こんな設定になったのだろうか。この伝説ができた時代には、ポルックスの方が実際明るかったのでは、という説を聞いたことがあるが、どうも眉唾である。ポルックスまでの距離が34光年に対し、カストルまでは52光年。実際にはカストルの方が2倍近く明るいことになる。ただ、カストルは6つの恒星が互いに回りあっているという、実に奇妙な世界だ。