来年春の火星小接近を控え、未明の東天で火星が少しずつ目立ち始めてきた。11月27日、
アメリカの火星探査機・キュリオシティが火星に飛び立つ一方、先に打上げられたた
ロシアのフォボス・グルントが絶望的な状況になった。火星探査の歴史はどういう訳かイバラの道だ。火星に向かった米欧の探査機はかなりの確率でコケている。国産唯一の火星探査機「のぞみ」も最終的にミッションを断念した。きわめつけのロシアだが、ソ連時代を含め、1960年以来の火星探査は一度も満足な成果を収めていない。
この呪われた火星探査に対し、キュリオシティが投じた予算は1900億円とか。最近の円高を考慮しても凄い数字だ。そういえば、当初の軌道投入に失敗し、苦戦を強いられている
金星探査機「あかつき」の予算は250億。満身創痍の中、「はやぶさ」の教訓が生かされれば良いが。そのはやぶさ後継機であるはやぶさ2の予算は
大きく「仕分け」られたというニュースが入った。呪いは宇宙ではなく、むしろ地上、それも永田町あたりに渦巻いているのかもしれない。
※画像は10cmED鏡による火星。2011年11月4日。100枚画像を合成。