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2007年 12月 10日
悪天候続きの北陸地方で久々晴間があり、深夜に星空が広がった。大気も透明で、月明かりもなく、街中でも淡い銀河が見えている。ホームズ彗星はさらに淡くなったものの、何とか肉眼でも認められる。5cmx10 の双眼鏡では円錐形に広がった印象だ。
この彗星の発見者、エドウィン・ホームズ氏であるが、実をいうとまったく知らない。彗星自体は天文年鑑などに時々回帰予報が短く載っていたり、また周期彗星のリストが巻末資料に掲載されていたり、何となく見聞きしたことはあるな、という程度だ。でも、とんと話題になったためしはなく、いきおいホームズ氏本人のプロフィールを紹介した記事を読んだ記憶もない。 ためしに Edwin Holmes Astronomer で検索すると、 Sky & Tekescope のコメント がひっかかった。「この彗星は115年前の1892年に大バーストを起こし、Edwin Holmes というイギリスのアマチュア天文家によって始めて捕らえられた。光度は4~5等級まで達した」という短いもの。ただし、このコラムには Kronk 氏による発見事情を解説した参照リンクがある。 それによると、11月6日夜、彼は32cmの反射鏡で星空を眺めていた。といっても彗星の捜索をしていた訳ではなく、木星や2重星の観察をしていたようだ。空の状態は決して良くなく、最後にM31を眺めて、撤収しようか・・ という時にこの天体に気付いた、ということだ。慌てて、グリニッジの英王立天文台に通報したが、プロの天文学者は「M31と見間違えてるんじゃないの?」と懐疑的だったらしい。ホームズ自身、それほど知られた人物ではないようだし、彗星が深夜に見えることはめったにないから、無理もないだろう。 1892年当時とくらべてみると、発見場所も季節もほぼ同じ。そのときは再度バーストを起こしたという。まだまだ見やすい位置をキープしているので、もういちど景気良く、パアーッとやってほしいものだな。
by astro_calendar
| 2007-12-10 13:34
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